クラウドソーシングサービスが普及するために

少し前になりますが、クラウドソーシングサービスのHomejoyがサービス終了しました。
こちらの記事によると、一部、クラウドソーシングでの課題が浮き彫りになっているように思います。
「シャットダウンの理由には、家事代行を求めるユーザと、現場に行くホームクリーナーとの仲介に際して、斡旋された人がHomejoyの従業員や請負業者であるのか、という問題に対する訴訟が大きな課題となりました。」
ということですが、
基本的には、クラウドソーシングはあくまで雇用契約に基づく業務ではなく、
いわゆる業務委託(この用語自体法律用語ではありませんが)に基づく業務とされることが多いです。
厳密に法律で説明しようとすると、「請負」か「準委任」かという分類がなされると思いますが、少なくとも「雇用」ではないということです。
少し話は逸れますが、Uberの本拠地であるアメリカでも同様の問題が起きていたと思います。
Uberの運転手はUberに雇用されているので労働者と同等の扱いをせよ、という話題が記事になっていました。
やや極端な言い分かもしれませんが、タクシー運転手と同種の業務に従事しているのであればありうる議論だとは思います。

◆雇用契約の場合

被用者(労働者)に該当するので、労働法によって保護されることになります。
そうすると、業務の依頼者(またはサービス提供者)が雇用保険に加入し、最低賃金法などを遵守しなければならないことになります。
逆に労働者も就業規則等使用者の指揮命令に服することになり、副業や兼業を禁止される可能性もあります。

◆雇用契約ではなく、業務委託契約の場合

労働者ではないので、源泉徴収対象外となることも多く、社会保険等も加入できません。
福利厚生が受けられない分、一見すると不利益が大きいのかと思いますが、個人事業主として整理すると、事業所得に対する経費を計上することが可能になるので、当該業務にかかる経費を考慮すると、所得税を削減することも可能なのではないでしょうか。
雇用契約だからってすごいメリットがあるわけではないので、アメリカで起きている訴訟についてどのような主張がなされているのかまでは不明ですが、どうしても労働法の適用を受けたかったのでしょうか。

◆日本における事例

我が国では、このような事例はあまり記事にはなっていないようです。日本では、クラウドソーシングのみで生計を立てている人(生計を立てられる人というのが正確でしょうか)がそこまで多くないのかもしれません。
いずれにしても、サービスの利用規約や実態をみれば「雇用」ではないことは設計が可能だとは思いますが、「指揮命令関係」があるとどうしても雇用契約に近くなってしまいます。
そのため、今後、サービス提供者としては、利用者同士のやりとりがどのようになされているのか、ということころまで監視する必要が出てくる場合もあるでしょう。
サービス設計、利用規約、利用者への説明等注意すべきポイントをしっかりチェックしていけば、上記のような問題にはならないとは思いますが、今後のクラウドソーシングサービスの成長とともに要注目ポイントです。

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